お知らせ プレスリリース 2026年9月

スクラムサイン、阪神内燃機工業と船舶の運転データとナレッジを活用した異常予兆検知AIシステムを共同開発

〜知識グラフ × LLM × 異常検知AIで、実証実験を本格化〜
プレスリリース(PDF) 開発事例として読む

AIシステムの共創開発を行う株式会社スクラムサイン(本社:神戸市中央区/代表:代表取締役社長 北村 友和、以下「スクラムサイン」)と、船舶用ディーゼルエンジンメーカーの阪神内燃機工業株式会社(本社:神戸市中央区/代表:木下 和彦、以下「阪神内燃機工業」)は、船舶の定時通信運転データと、阪神内燃機工業が蓄積してきた異常予兆のナレッジを活用した、異常予兆検知AIシステムのプロトタイプを共同で開発しました。

本システムは、機械学習による異常予兆検知と、知識グラフおよびLLM(大規模言語モデル)を組み合わせた、業界でも前例の少ない取り組みです。初年度のプロトタイプ開発を経て、本年度より実環境での実証実験を本格化し、実用化の可能性を検証してまいります。

本システムのしくみ:船舶の運転データ→異常予兆検知AI→知識グラフ×LLMによる要因分析→要因の洗い出し・レポート→安全管理の現場。現場のナレッジは改善AIが知識グラフへ蓄積
本システムのしくみ

開発の背景

阪神内燃機工業は、長年の高度船舶安全管理システムの運用を通じて蓄積してきた異常予兆のナレッジと運転データを活かし、AIによる予兆検知の実現を目指してきました。一方スクラムサインは、不確実性の高いAI開発にクライアントと共に取り組む、共創型の開発を行ってきました。

船舶の安全管理の現場では、これまで高度船舶安全管理システムで稼働するエキスパートシステムがありますが、船舶の自動運航が進む未来では、異常の予兆についても、従来のエキスパートシステムをさらにアップデートしたものが求められてきます。一方で、高度船舶安全管理システムを管理運用する長年の熟練人材の暗黙知や現場知を次世代へ引き継ぐ仕組みづくりについても、実データで検証を重ね、阪神内燃機工業固有のナレッジ資産をAIがしっかりと活用できる形を目指したい——そうした思いから、共同開発を開始しました。

本システムの特徴

1
船舶の運転データを活用した異常予兆検知

船舶から送られる定時通信の運転データを、センサーのパターン解析に加え、センサーとセンサーの関係性、波形を分析する等の機械学習を用いた手法で分析し、異常の予兆を検知します。従来の監視では捉えにくかった変化の兆候を、早期に把握することを目指しています。

2
知識グラフとLLMによる異常要因の洗い出し

阪神内燃機工業が長年の高度船舶安全管理システムの運用で蓄積してきた異常予兆のナレッジを、誰でも利用可能な形の知識グラフとして構造化。時系列センサーデータからの異常予兆検知を入力に、この知識グラフと生成AI(LLM)を組み合わせて活用することで、予兆の検知から異常要因の洗い出しまでの精度向上を目指しています。これにより、熟練者でなくても異常の兆候とその要因の把握がしやすくなり、次世代に向けた判断知識の継承にもつながることを目指しています。

3
知識グラフを継続的に改善するAI

運用の中で得られる新たな知見を、知識グラフに継続的に取り込み、改善していくAIの開発に取り組んでいます。

進め方:共創型の開発スタイル

本プロジェクトは、仕様の確定した受託開発ではなく、両社が仕様の検討段階から共に考え、実データでの検証を重ねながら進める共創型のスタイルで開発を行っています。

初年度は、過去のデータをもとにどのようなことがAIで実現できるかを、プロトタイプの開発を通じて検証しました。想定を超えるセンサー数や時系列データ特有の難しさなど、取り組みの中で見えてきた課題に両社で向き合いながら、開発を進めてきました。本年度は、プロトタイプの実環境での実証実験を通じて、検知精度の検証と品質の向上、知識グラフを改善するAIの開発などに取り組んでいます。

今後の展開

両社は、本年度中の実証実験を通じて実用化の可能性を検証し、将来的には複数隻への展開も視野に入れて取り組みを進めてまいります。引き続き両社で協力し、船舶の安全管理の高度化に貢献してまいります。

阪神内燃機工業からのコメント

「当社は、AI技術の活用による新たな価値創出を模索する中で、スクラムサイン様との協議を重ねてまいりました。その結果、当社が長年培ってきた遠隔監視システムと先端AI技術の高い親和性を見出し、共同開発に着手いたしました。開発にあたっては、スクラムサイン様に実際の遠隔監視現場へ立ち会っていただき、現場の知見を反映しながら実用化に向けた検証と改善を重ねております。当社の長年の運用ノウハウ・技術力と最新のAI技術を融合させることで、船舶のさらなる安全運航と業務効率化に繋がることを期待しています。」

会社概要

阪神内燃機工業株式会社
本社 神戸市中央区海岸通8番地 神港ビル4階
代表 代表取締役社長 木下 和彦
創立 1918年(大正7年)
事業 船舶用ディーゼル機関・可変ピッチプロペラ・周辺機器の製造販売および修理、遠隔機関監視システムの製造販売 ほか(東証スタンダード市場:6018)
株式会社スクラムサイン
本社 〒650-0011 神戸市中央区下山手通2丁目13番3号 建創ビル 9F 61号室
代表 代表取締役社長 北村 友和
設立 2015年8月
事業 AI・機械学習システムの共創開発、勉強会コミュニティの運営支援、Math & Coding・DEP. の運営
本リリースに関するお問い合わせ
株式会社スクラムサイン 広報担当 (取材のご依頼は、お問い合わせフォームからどうぞ)
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共創開発拠点 DEP. 〒650-0021 神戸市中央区三宮町3-1-16 三星ビル4階南室
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